2009/06/09(火)PCM2702 DAC の更なる改良

このPCM2702 USB-DACをさらに高音質化すべく各種の検証をしたのでまとめておきます。元々相当音が良かったのですが、この改良により「10万円CDプレイヤーでも何でももってこい」という気分になりました。PCM2702 DACを作られた人はぜひ挑戦してみてください。

参考に元回路図を置いておきます。元記事に改造のコメントを下さった方々に感謝致します。

pcm2702dac_circuit.png

U4の変更

U4がNJM4580は、LME49721やLT1364(もしくはLT1363+dual変換下駄)に変更すると良いです。非常に音がよくなります。一時期LT1677を推奨していましたが、ここに使うと音よくないです。

U4電源対策

U4をLME49721等に交換してあれば、一番効果のある対策です。U4の電源を4.7Ω220Ω+560uF(6.3V)のOS-CONで平滑して与えたら一層音がクリアになりました。

キット利用者用に画像を置いておきますので、参考にしてください。

u4power-001.jpg
u4power-002.jpg
u4power-003.jpg

追記 2009/12/16

さらにU4を取り払ったほうが音がよくなるようです。

  • U4を外します。
  • R15, R16をV5A(U4の8pin)に接続します。つまりU4の7pinと8pinをショートします。
  • R17, R18を3kΩ(3.3kの場合はR15, R16を10kに)変更します。

PLL安定化対策

クロックの安定化を侮っていたのですが、非常に効きます。音のリアリティが増す感じですね。変更点。

  • VDDCをVDDから切り話し、3.3V電源を220Ω+1500uF(OS-CON)で平滑して供給する。電圧降下でICの動作保証外ですが、ここの平滑化が一番効きます。保証内にするなら100Ωで。
  • VDD系用に3.3Vレギュレータの出力(C61/C62に並列)に100uF程度の普通の電解コンデンサをつける1000uF以上の高周波特性に優れた低ESRコンデンサを付ける*1。レギュレータとしてLM3940等のLDO(入出力電圧差が0.5V以下でも動くもの)使用時は低ESRは避ける。*2
  • R7を22Ωに(DAC部用PLL電源)。
  • R9を4.7Ωに(DAC部VCC。PLLとは無関係ですがついでに*3)。

ソースによっては何も変わらなかったりしますが、きちんとしたクロックで録音された(と思われる)ソースでは強烈に音質が向上します。ちなみに、TCXO(高安定な水晶発振素子*4)も試しましたが、クロック電源をきちんと対策すれば「TCXOの方が多少いい」程度でした。

この変更後は、出力オフセットの再調整が必要です。しなくても、そんなにずれませんが。

キット利用者向けに、VddC対策の方法を載せておきます。広範囲のパターンカットが必要になるのでカットに自信のない人は無理をしないでください。

vccp-power01.jpg
vccp-power02.jpg
vccp-power03.jpg

このままだとPLAYのLEDが暗くなるので、気になる人はR5の値を変更するか、LEDの電源をレギュレータ直下(Vdd)に付け替えるなどしてください。

*1 : 2009/07/06訂正。ここに低容量の標準コンデンサを使用すると中高域の伸びが悪くなります。完全なデジタル部電源なので何でも関係ないだろうと思っていたのですが、高域のなりに違和感を感じて原因追求したらここでした。非常に意外でした。現在はOS-CONの6.3V1500uFを付けています。

*2 : キット付属のNJM2391等ならば問題なし。LDOに大容量低ESRコンデンサを付けると発振の恐れがあるため。

*3 : 他の2.2Ωも全部検証してみましたが、ほとんど差はないようでした。そんなに時間を取って検証したわけではないので、変わったよーという報告があればぜひお寄せください。

*4 : 正確には温度補償入りですが、分かりやすさ優先。

C31, C32の変更

DACをDC直結にするための、LPFオペアンプの基準電圧平滑用コンデンサです。従来、チップ積層セラミックコンデンサ10uF X7R(MLCC)を推奨していましたが、ためしにチップ積セラを外してOS-CON 10uFに変更したら、音がすっきりしました。(高誘電率系の)積セラは、やはり音がエコーっぽくなるようです。

人によって感じ方は違いますが、この部分の変更は上2つに比べあまり大きな差が出ません。容量は大きくしてもほとんど意味がありません。特に、最大でも100uFにして、それより大きくしないようにしてください。電源on時の問題もありますし、(安定時の)充電電流が0.1mAも無いので大容量→もれ電流増大であまりよろしくないと思います。

キットの場合はOS-CON 10uFを裏面以外につけるのは難しく、裏面につけてしまうとケースに入らなくなります。一番小型の10uFならば頑張れば表面に付けられます。ただし、間違ってその近くにあるフィルムコン(C27/C28)を溶かすと大惨事なので自信のない方はやめましょう(コテ先が本体に当たると簡単に溶けます)。このコンデンサを入手するのは面倒です(Digikeyにありますが)。

出力ホワイトノイズ

元記事のコメントにある、出力に直接16Ω高能率イヤホンを挿すとわずかにホワイトノイズが聴こえる件は、LPFが緩めであることとが原因でC31/C32の容量を増やしても改善はされません。LPFの緩めは狙ったものですので個人的にはこのままですが、もし変更するならC27/C29を470pF/150pFまたは680pF/220pFに変更すると消えるかも知れません。しかし全体の音が変わる可能性があります。

検証したら加筆しますが、適切なボリュームで聴く分には全く気にならないので、放置気味です。

クロック

ついでにクロックをPCM2704で音質のいいDACを参考にTCXOにした方が音が良くなります。

その他

いろいろ弄ってますが正直なところここまで来ると全部再設計したい感じです。無論、懲りずにバスパワーで(笑)

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